概要
麦を蒔き、羊を囲った。栄養は偏り、身長は縮み、病気は増えた。それでも人口は桁違いに増える。
場所
肥沃な三日月地帯位置は特定されていない(誤差 ±600km)
35.50°N 40.00°E · イラク・シリア・トルコ南部・レバノン・イスラエル
35.50°N 40.00°E · イラク・シリア・トルコ南部・レバノン・イスラエル
本文
狩りと採集をやめて種を播くようになった集団が、 西アジア、中国、メソアメリカ、アンデス、ニューギニアで、 互いに知らないまま別々に始めている。
割に合う選択だったかは疑わしい。 初期の農耕民の骨は、狩猟採集民より背が低く、虫歯が多く、 栄養失調の跡がある。働く時間も長い。
それでも農耕は広がった。同じ面積からずっと多くの人を養えるからで、 一度人口が増えれば、もう狩りだけの暮らしには戻れない。
定住は貯えを生み、貯えは差を生んだ。 誰がどれだけ持つかを記録する必要が出て、文字が生まれる。 奪われないように囲う必要が出て、壁が生まれる。 この年表にあるものの大半は、この選択の先にある。
出典(9)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』第5章 農耕がもたらした繁栄と悲劇
ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰 訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』第5章 持てるものと持たざるものの歴史
ウィリアム・H・マクニール(佐々木昭夫 訳) 『疫病と世界史』第2章 歴史時代への突入
スティーブン・ピンカー(幾島幸子、塩原通緒 訳) 『暴力の人類史』第2章 平和化のプロセス
ウィリアム・H・マクニール(増田義郎、佐々木昭夫 訳) 『世界史』第I部 ユーラシア大文明の誕生とその発展(BC500年まで)
マット・リドレー(大田直子、鍛原多惠子、柴田裕之 訳) 『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』第4章 九〇億人を養う
デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史 訳) 『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』第6章(農耕は一本道ではなかった)
ジェームズ・C・スコット(立木勝 訳) 『反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー』第2章(栽培化と定住のあいだの4000年)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『ホモ・デウス テクノロジーとサピエンスの未来』第2章(人間と動物の関係をどう変えたか)