概要
馬、獅子、犀、そして壁に押し当てた手。1994年の発見時、これほど古いとは誰も信じなかった。描いた人が何を思っていたかは、分からないままになる。
場所
ショーヴェ洞窟
44.39°N 4.42°E · フランス・アルデシュ県
44.39°N 4.42°E · フランス・アルデシュ県
本文
1994年12月、南フランスの崖で、 三人の洞窟探検家が風の抜ける隙間を見つけた。 奥に、数百の動物が描かれていた。
馬、野牛、鹿は他の洞窟にもある。 ここには獅子、熊、犀、マンモスのように、 狩りの獲物ではない危険な動物が多い。 壁に手を当てて顔料を吹きつけた、手の形もある。
放射性炭素の年代は約3万6000年前を出した。 ラスコーの2倍古い。 これほど古い時代に、これほどの絵があるとは思われていなかったので、 年代は長く疑われた。いまは受け入れられている。
描いた人が何を信じていたかは、分からない。 狩りの呪い、祖霊、通過儀礼。どれも当時の人に聞けない以上、推測になる。
『サピエンス全史』は第3章で、狩猟採集民の心の世界について、 分かっていることより分かっていないことのほうが多い、と書くのに、 こういう壁画を例にしている。
出典(2)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』第3章 狩猟採集民の豊かな暮らし
デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史 訳) 『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』第3章(氷河期の社会の多様さ)