概要
言葉が、目の前に無いものを語れるようになった。虚構を共有できれば、見ず知らずの数百人が協力できる。ハラリはここを人類史の起点に置く。
場所
ブロンボス洞窟
-34.41°N 21.22°E · 南アフリカ・西ケープ州
-34.41°N 21.22°E · 南アフリカ・西ケープ州
本文
ホモ・サピエンスは、20万〜30万年前からアフリカにいた。 道具も火も持っていたが、何万年ものあいだ、 ほかの人類種と大差のない暮らしをしていたように見える。
7万年前ごろから、様子が変わる。 アフリカを出てユーラシアに広がり、ネアンデルタール人を押しのけ、 海を渡ってオーストラリアに着き、 装身具と彫像と壁画を残しはじめる。
何が起きたのかは分かっていない。 遺伝子の偶然の変化で言語の構造が変わった、という説が有力だが、 証拠は間接的なものしかない。
ハラリの『サピエンス全史』は、ここを人類史の起点に置いた。 鍵は、目の前に無いものを語れる言葉だと言う。 獅子がいる、と伝えるのは他の動物にもできる。 獅子の霊が守ってくれる、と言えるのは人だけになる。
共有された虚構があれば、血縁でも顔見知りでもない大人数が協力できる。 神も、部族も、国も、お金も、会社も、その延長にある、というのが本の筋になる。
年代は幅を持たせてある。7万年前という数字は本の区切りで、 遺物の側からは、南アフリカのブロンボス洞窟の刻線入り顔料(約7万5000年前)のように、 それより古い「象徴」の候補も出ている。
動画(1)
出典(4)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』第2章 虚構が協力を可能にした
スティーブン・ピンカー(幾島幸子、塩原通緒 訳) 『暴力の人類史』第2章 平和化のプロセス
マット・リドレー(大田直子、鍛原多惠子、柴田裕之 訳) 『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』第2章 集団的頭脳
デヴィッド・グレーバー、デヴィッド・ウェングロウ(酒井隆史 訳) 『万物の黎明 人類史を根本からくつがえす』第3章(氷河期の社会の多様さ)