概要
最初に書かれたのは詩でも法でもなく、麦とビールの帳簿だった。文字は数えるために生まれている。
場所
ウルク
31.32°N 45.64°E · イラク・ムサンナー県
31.32°N 45.64°E · イラク・ムサンナー県
本文
最初の粘土板に書かれているのは、詩でも祈りでもない。 大麦が何升、羊が何頭、誰から誰へ。倉庫の記録である。
はじめは物の形をかたどった絵だった。 葦の先で粘土を押すと、線を引くより楔形の窪みを作るほうが速い。 速さを求めるうちに絵は崩れ、記号になった。
記号が音を表すようになると、 物の名前だけでなく人名も、動詞も、王の言葉も書けるようになる。 『ギルガメシュ叙事詩』も法典も、 もとは大麦の勘定のために作られた道具で書かれている。
3000年使われ、AD1世紀ごろに使う人がいなくなった。 読み方が分かったのは19世紀で、 ペルシアの三言語併記の碑文が手がかりになった。
動画(1)
出典(4)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』第7章 書記体系の発明
ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰 訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』第12章 文字をつくった人と借りた人
ウィリアム・H・マクニール(増田義郎、佐々木昭夫 訳) 『世界史』第I部 ユーラシア大文明の誕生とその発展(BC500年まで)
デヴィッド・グレーバー(酒井隆史 訳) 『負債論 貨幣と暴力の5000年』第3章(原初的負債。最初の文字は借りの記録)