概要
海面が上がって本土と切れ、数千人が1万年、誰とも会わずに暮らした。骨の釣り針も、そのあいだに使われなくなった。
場所
タスマニア位置は特定されていない(誤差 ±150km)
-42.00°N 146.60°E · オーストラリア・タスマニア州
-42.00°N 146.60°E · オーストラリア・タスマニア州
本文
氷期にはタスマニアはオーストラリアと陸続きで、人は歩いて渡っていた。 約1万年前、海面が上がってバス海峡ができた。
それから1万年、島の人びとは誰とも会わなかった。 人口は数千人と推定される。 地球上で、これほど長く完全に孤立した人の集団は他に知られていない。
ヨーロッパ人が来たとき、彼らは骨の道具を持たず、魚を食べず、 火を運ぶことはできても起こすことはできなかった、とされる。 遺跡を掘ると、骨の釣り針も魚の骨も、孤立する前の層には出る。 つまり、使うのをやめたことになる。
ダイアモンドは第15章でこの例を使う。 技術は一度得れば残るものではない。 人が少なく、外とのやり取りが無ければ、失われることがある。
なぜ魚を食べなくなったのかは、分かっていない。
1803年から入植が始まり、1876年に「最後のタスマニア人」とされた女性が死んだ。 実際には混血の子孫が残っていて、いまも続いている。
出典(1)
ジャレド・ダイアモンド(倉骨彰 訳) 『銃・病原菌・鉄 一万三〇〇〇年にわたる人類史の謎』第15章 オーストラリアとニューギニアのミステリー