概要
日本は農業の国だ、という前提を史料から崩した歴史家。海と山で生きた人、市場、女性、被差別民を、日本史の中心に置き直した。
所属
日本本文
山梨に生まれ、東京大学で国史を学んだ。 戦後の一時期、日本共産党の運動に深く関わり、 その挫折が、以後の歴史の見方に影を落としていると本人は書いている。
若い頃、常民文化研究所で全国の漁村の古文書を集める仕事をした。 その資料を長く整理しないまま抱え込んだことを、生涯悔いていたと語っている。 その現場で見たものが、後の仕事の土台になった。
日本は農業の国であり、百姓は農民である。 この前提を、彼は帳簿や証文で崩していく。 田を持たずに廻船と金融で財を成した「百姓」がいる。 中世の女性は財産を持ち、商いをしている。 海と山で生きた人びとは、石高で測る仕組みから抜け落ちている。
『無縁・公界・楽』では、市や寺社の境内が、 領主の力の及ばない場所として機能していたと論じた。
一般向けに書いた『日本の歴史をよみなおす』が広く読まれ、 教科書の日本史像に実際の影響を与えた。 中世を自由な社会として描きすぎている、という批判も受けている。
2004年、肺がんで死んだ。