概要
マンモスの牙を彫った、獅子の頭を持つ人。実在しないものを形にした、いま知られている最も古い証拠になる。
場所
ホーレンシュタイン・シュターデル洞窟
48.55°N 10.17°E · ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州
48.55°N 10.17°E · ドイツ・バーデン=ヴュルテンベルク州
本文
1939年、ドイツ南部の洞窟で、割れた象牙の破片が数百見つかった。 戦争が始まり、破片は箱に入ったまま30年置かれる。 組み上げてみると、獅子の頭を持った、立った人の像だった。 高さ31cm。マンモスの牙を石の刃で彫ってある。
年代は約4万年前とされる。 洞窟の同じ層から、それと分かる年代が出ている。
獅子の頭を持つ人は、いない。 見たものを写したのではなく、見たことのないものを作っている。 これが、実在しないものを形にした証拠として、いま知られている最も古いものになる。
何のための像かは分からない。 儀礼の道具、物語の登場人物、守り神。どれも推測にとどまる。
『サピエンス全史』は第2章でこの像を挙げる。 無いものを語れる言葉が、大人数の協力を可能にした、という本の中心の主張に、 物として残っている最古の手がかりだからになる。
出典(1)
ユヴァル・ノア・ハラリ(柴田裕之 訳) 『サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福』第2章 虚構が協力を可能にした