概要
歴史とは、歴史家と事実のあいだの終わりのない対話である。ケンブリッジでの6回の連続講義が本になり、以後の歴史の読み方を変えた。
場所
ケンブリッジ
52.21°N 0.12°E · イギリス・イングランド
52.21°N 0.12°E · イギリス・イングランド
関わった人(1)
E・H・カーAD1892年6月28日–AD1982年11月3日 · 講義した本文
1961年の1月から3月にかけて、ケンブリッジ大学で6回の連続講義が行われた。 話したのは、外交官からソビエト史の研究者に転じたE・H・カー。
第1講で、有名な例が出る。 カエサルがルビコンを渡ったことは歴史上の事実とされる。 しかし、同じ日に何百万の人が同じ川を渡ったことは、事実として扱われない。 違いは、歴史家がどちらを選んだかにしかない。
事実は魚屋の台の上に並んだ魚ではなく、大海を泳ぐ魚だ、と彼は言った。 何が釣れるかは、どの海域で、どんな道具を使うかで決まる。
だから、歴史書を読む前にその歴史家を調べよ、という助言が出てくる。 そして結論はこうなる。 歴史とは、歴史家と事実のあいだの、終わりのない対話である。
同じ年に本になり、以後60年、歴史学の入口の一冊であり続けている。
客観的な事実を軽んじすぎている、という批判も長く続いてきた。 それでも、誰が何を選んで書いたのかを問う癖は、この本から広まった。
出典(1)
E・H・カー(清水幾太郎 訳) 『歴史とは何か』全6講