概要
ドイツの捕虜収容所で、記憶だけを頼りに主著を書き上げた。事件ではなく、山と海と気候がつくる「ほとんど動かない時間」から歴史を見る。
関わったできごと(1)
『地中海』の刊行AD1949年 · 著者本文
フランス東部の村で祖母に育てられ、パリで歴史を学んだ。 アルジェリアの高校で10年教えた。 地中海を南から見た経験が、後の仕事を決めたと本人が書いている。
サンパウロ大学で教えたあと、帰りの船でリュシアン・フェーヴルと出会い、 アナール学派の中心へ入っていく。
1940年、ドイツ軍の捕虜になった。 リューベックとマインツの収容所で5年。 資料の無い場所で、記憶とノートだけを頼りに『地中海』を書き上げ、 書いた分を国外の師へ送り続けた。
1949年に刊行。 歴史を三つの速さで捉える組み立てが、その後の歴史学を変えた。
戦後は高等研究院の第6部門を率い、 『物質文明・経済・資本主義』を書いた。 日常の暮らし、市場、そして資本主義を三層に分ける見方になる。
晩年はフランスそのものを同じ方法で書こうとして、未完に終わった。