概要
ドイツの捕虜収容所で書き上げた原稿が、戦後に本になった。王と戦争ではなく、山・海・気候という「ほとんど動かない時間」から歴史を書く方法が示される。
場所
パリ
48.86°N 2.35°E · フランス
48.86°N 2.35°E · フランス
関わった人(1)
フェルナン・ブローデルAD1902年8月24日–AD1985年11月27日 · 著者本文
1940年、フランス軍の中尉だった歴史家がドイツの捕虜になった。 リューベックとマインツの収容所で5年を過ごす。
そこで、主著を書いた。 図書館も資料も無い。 戦前に読み、書き写しておいたノートの記憶だけを頼りにした。 書き上げた分をノートに綴じ、看守を通じて国外の指導教授へ送り続けた。
1947年に博士論文として審査され、1949年に本になった。 題は『フェリペ2世時代の地中海と地中海世界』。
三部構成そのものが主張になっている。 第I部は、山、海、島、気候。人の一生では動かない時間。 第II部は、経済、国家、社会。数十年で動く時間。 第III部でようやく、王と戦争と外交が出てくる。 そして著者はそれを、深い海の上の泡と呼んだ。
レパントの海戦は、この本では終わりのほうの数ページになる。
事件を追うのが歴史だ、という前提を、この本は組み立て方だけで崩した。 アナール学派と呼ばれる流れの代表作になる。
出典(1)
フェルナン・ブローデル(浜名優美 訳) 『地中海』全篇