概要
医師ジョン・スノウが死者の住所を地図に打ち、一つの井戸に集まることを示した。病は空気ではなく水で運ばれる。疫学はここから始まったとされる。
場所
ロンドン
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
51.51°N -0.13°E · イギリス・イングランド
本文
1854年8月末、ロンドンのソーホーで、数日のうちに数百人がコレラで死んだ。
医師ジョン・スノウは、当時の通説を疑っていた。 病は悪い空気で広がる、という説になる。 彼は死者の住所を一軒ずつ地図に打った。 点はブロード・ストリートの一本の井戸を囲んでいた。 その井戸の水を飲まなかった醸造所の労働者は、罹っていなかった。
教区の委員会を説得して、井戸のポンプの取っ手を外させた。 流行はそこで終わった。 既に下火だったので、取っ手のおかげかどうかは分からない、と本人も認めている。
菌が見つかるのは30年後になる。 コッホが1883年にコレラ菌を同定した。 スノウは、原因を知らないまま経路を突き止めたことになる。
『疫病と世界史』は、 これを人の側から病との均衡に手を入れはじめた例に置く。 病そのものではなく、病の道筋を数える。 疫学という方法の始まりになる。
出典(1)
ウィリアム・H・マクニール(佐々木昭夫 訳) 『疫病と世界史』第6章 医学と医療組織の役割