概要
ヨーロッパの人口の3分の1が死んだ。働き手が減って農奴の立場が上がり、封建の仕組みが緩む。
本文
中央アジアから、モンゴルの交易路と船に乗って西へ来た。 1347年にクリミアからジェノヴァ船がシチリアへ持ち込み、 3年でヨーロッパの端まで達している。
死者はヨーロッパの人口の三分の一から半分と推計される。 村ごと消えた例が各地にあり、 イングランドでは消えた村の跡が航空写真で今も見える。
人が減ったことで、生き残った農民の労働力に値が付いた。 賦役を課す領主に対して交渉力が生まれ、 農奴制が緩む地域が出る。ペスト後の賃金上昇を 法で抑えようとした国では、それが一揆の火種になった。
原因が細菌だと分かるのは1894年である。 それまでの550年、この病は空気の毒とされ、 あるいはユダヤ人が井戸に毒を入れたとされて、 各地で虐殺が起きた。
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出典(6)
ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍 訳) 『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』第4章 小さな相違と決定的な岐路
ウィリアム・H・マクニール(佐々木昭夫 訳) 『疫病と世界史』第4章 モンゴル帝国の勃興と疾病バランスの変化
ウィリアム・H・マクニール(増田義郎、佐々木昭夫 訳) 『世界史』第II部 諸文明間の平衡状態(BC500〜AD1500年)
マット・リドレー(大田直子、鍛原多惠子、柴田裕之 訳) 『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』第6章 マルサスの罠から逃れる
ジャネット・L・アブー=ルゴド(佐藤次高ほか 訳) 『ヨーロッパ覇権以前 もうひとつの世界システム』結論(14世紀の崩れ)
フェルナン・ブローデル(浜名優美 訳) 『地中海』第I部 環境の役割(人口と土地)