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Story / ストーリー

『武士の家計簿』で読む幕末

出てくるできごと AD1603 – AD1871
できごと 5人物 11

概要

加賀藩の会計係の家が、37年つけた家計簿が見つかった。武士は、思われているよりずっと借金に苦しんでいた。

この物語について

『武士の家計簿』(磯田道史、2003年)は、古書店で見つかった一束の帳面から始まる。加賀藩の御算用者、猪山家が幕末から明治にかけて37年つけた収支の記録になる。

分かったことは、教科書の武士像とかなり違う。

猪山家の借金は、年収の二倍近くあった。利子だけで収入の三分の一が消える。1842年、彼らは家財を売り払って借金を整理した。刀も、鎧も、掛け軸も売った。売った品目が一つずつ記録されている。

支出で大きいのは、親類や上役への付け届けと、身分に応じた儀礼の費用になる。身分を保つこと自体に金がかかり、それが家計を圧迫していた。

そして明治になる。刀も家柄も価値を失ったが、そろばんができる武士は違った。猪山家の子は海軍の主計官になり、家は続いた。身分ではなく技能が人を運んだ、という話になる。

この物語は、本が扱った時代を並べたものになる。本文は写していない。

動画(1)

【前編】「忍者を追う歴史学」磯田道史教授国際日本文化研究センター著者本人が、古文書から普通の人の暮らしを読む方法を話す

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

武士の700年4件を共有 / 地方の武装集団が政権を取り、そして自ら身分ごと消えるまで。幕末2件を共有 / 黒船が来てから15年で、700年近く続いた武家政権が終わった。明治1件を共有 / 藩を消し、身分を消し、40年で列強と戦えるところまで作り替えた。その代償も含めて。都市の歴史1件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。誰が書き残したか1件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。『文明崩壊』で読む歴史1件を共有 / イースター島、マヤ、グリーンランドのノルウェー人。環境を使い尽くした社会と、そうしなかった社会。『失敗の本質』で読む日本軍1件を共有 / なぜ負けたのかを、作戦ではなく組織の性質から説明した本。六つの作戦を並べて、同じ型を取り出す。『応仁の乱』で読む日本の転換点1件を共有 / 主役がいない。勝者もいない。11年戦って何も決まらなかった戦乱を、二人の僧の日記から追う。

筋(7)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

日本国 / AD3〜4世紀ごろ(古墳時代の王権) – (続く)江戸幕府の成立できごと / AD1603年 / 石高で測る仕組み猪山直之人物 / AD1810年 – AD1875年 / 帳面をつけた人天保の飢饉できごと / 1833年 / 藩の財政が傾く猪山家の家計簿できごと / 1842年 / 全篇王政復古の大号令できごと / 1868年1月3日(慶応3年12月9日)廃藩置県できごと / 1871年8月29日(明治4年7月14日) / 身分が消え、技能が残る