概要
キリスト教の神学を体系として書いた最初の本。神、世界、自由意志、聖書の読み方。すべての魂は最後に神に帰る、と書いた。その部分が300年後に異端にされ、本はラテン語訳でしか残っていない。
場所
31.20°N 29.92°E · エジプト
関わった人(1)
オリゲネスAD185年頃–AD253年頃 · 著者本文
アレクサンドリア。 父レオニデスは202年の迫害で斬られた。 17歳のオリゲネスは自分も殉教に行こうとして、 母が服を隠して止めた。 父に手紙を書いた。「私たちのために心を変えないでください」。
18歳で教理学校の長になった。 昼は教え、夜は聖書を読み、 床に寝て、靴を履かず、酒を飲まなかった。 マタイ福音書の「天の国のために自ら去勢した者」を字義通りにした、 とエウセビオスは書く。 本人は後年、その字義通りの読みを批判した。
『ヘクサプラ』。 旧約を六つの列に並べた。 ヘブライ語本文、そのギリシア文字転写、 アクィラ、シュンマコス、七十人訳、テオドティオン。 30年かけた。 6500頁あったと推定される。 写本は残らず、断片だけがある。
『諸原理について』(ペリ・アルコーン)。 230年頃。 第1巻は神と天使、第2巻は世界と人、 第3巻は自由意志、第4巻は聖書の解釈。 魂は体の前から存在し、 すべての被造物は、悪魔も含めて、 最後に神に帰る(アポカタスタシス)。 聖書には文字の意味、魂の意味、霊の意味の三つがある。
アレクサンドリアの司教デメトリオスと対立し、 231年にカイサリアへ移った。 そこで教え、書き、 250年、デキウスの迫害で投獄され、拷問された。 拷問で殺さず、生きたまま苦しめるように、と命じられた。 出獄して、253年頃、その傷で死んだ。
543年、ユスティニアヌスが異端と宣告し、 553年の公会議が追認した。 ギリシア語の著作の大半は焼かれ、 『諸原理について』はルフィヌスのラテン語訳だけが残る。 ルフィヌスは「異端者が挿入した部分」を削って訳した、と序文に書いている。 何を削ったかは、分からない。