概要
南米の銀がヨーロッパを経て中国へ流れた。世界で最初の、地球を回るお金の流れ。
場所
ポトシ
-19.58°N -65.75°E · ボリビア
-19.58°N -65.75°E · ボリビア
本文
標高4000メートルを超える山が、まるごと銀鉱だった。
インカの時代から知られていたが、 本格的な採掘はスペインが始める。 ミタと呼ばれる強制労働で先住民が動員され、 のちにアフリカから連れられた人も加わった。
坑内の死亡率が高い。 水銀を使うアマルガム法が導入されてからは、 水銀中毒も加わった。 数百年で死んだ人の数には、 数十万から800万まで、極端に幅のある推計がある。
出た銀は、スペインを経てヨーロッパへ流れ、 そこから中国へ流れた。 明が税を銀で納めさせる制度に変えたため、 中国が銀を吸い込む側になっていた。
南米で掘られた銀が、 ヨーロッパを通って中国に落ち着く。 世界を一周するお金の流れが、ここで初めてできた。
「ポトシのような」は、スペイン語でいまも 莫大な富を意味する言い回しになる。
出典(5)
ダロン・アセモグル、ジェイムズ・A・ロビンソン(鬼澤忍 訳) 『国家はなぜ衰退するのか 権力・繁栄・貧困の起源』第1章 近くて遠い
ケネス・ポメランツ(川北稔 監訳) 『大分岐 中国、ヨーロッパ、そして近代世界経済の形成』第6章(制約を解いたアメリカ大陸と石炭)
デヴィッド・グレーバー(酒井隆史 訳) 『負債論 貨幣と暴力の5000年』第11章(大資本主義帝国の時代)
チャールズ・C・マン(布施由紀子 訳) 『1493 世界を変えた大陸間の「交換」』第2部(銀とマニラ・ガレオン)
フェルナン・ブローデル(浜名優美 訳) 『地中海』第II部 集団の運命と全体の動き(銀の流れ)