概要
人類が病を一つ、地上から消した。最後の自然感染は1977年のソマリア。20世紀だけで3億人を殺した病が、13年の計画で終わった。
場所
ジュネーヴ
46.20°N 6.14°E · スイス(CERN・国際機関)
46.20°N 6.14°E · スイス(CERN・国際機関)
本文
天然痘は20世紀だけで3億人を殺した。 ジェンナーの種痘から180年、まだ毎年200万人が死んでいた。
1967年、世界保健機関が根絶の計画を始めた。 全員に接種するのではない。 患者が出たら周りを囲んで接種する、という方法で、 病の火を一つずつ消していった。
冷戦のさなか、ソ連がワクチンを提供し、アメリカが資金と人を出した。 最後の自然感染は1977年、ソマリアの病院の調理人だった。 1978年、イギリスの研究所の事故で一人が死に、それが最後の死者になる。
1980年5月8日、総会が根絶を宣言した。 人類が病を一つ、地上から消した最初になる。
ウイルスは二か所の研究所に残されている。 消すかどうかは、いまも決まっていない。
『繁栄』は、これを「よりよい今日」の第1章に置いた。
出典(1)
マット・リドレー(大田直子、鍛原多惠子、柴田裕之 訳) 『繁栄 明日を切り拓くための人類10万年史』第1章 よりよい今日