概要
青銅は錫と銅が要り、どちらも遠くから運ぶしかない。鉄鉱石はどこにでもある。武器も農具も、遠距離交易に頼らずに作れるようになった。ヒッタイトが独占していたという通説は、いまは疑われている。
場所
ハットゥシャ
40.02°N 34.62°E · トルコ・チョルム県
40.02°N 34.62°E · トルコ・チョルム県
本文
青銅を作るには銅と錫が要る。 錫の鉱床は限られていて、地中海世界では ブリテン島やアフガニスタンから運ばれていた。 交易路が切れれば、武器も農具も作れなくなる。
鉄鉱石は、ほとんどどこにでもある。 問題は温度だった。 銅は1000度ほどで溶けるが、鉄は1500度を超えないと溶けない。 古代の炉ではそこまで上がらない。
解決は「溶かさない」ことだった。 半溶けの塊を作り、叩いて不純物を追い出す。 鍛冶という工程が要る。 手間はかかるが、材料はどこでも手に入る。
BC1200年頃、東地中海の交易網が 「海の民」の混乱で崩れた。 錫が来なくなった時期と、鉄が広まる時期が重なる。 必要が技術を押し出した、という説明になる。
ヒッタイトが製鉄を独占していたという通説は、 いまは疑われている。 出土する鉄器の量が、独占を裏づけるほど多くない。
出典(1)
ウィリアム・H・マクニール(増田義郎、佐々木昭夫 訳) 『世界史』第I部 ユーラシア大文明の誕生とその発展(BC500年まで)