概要
皇帝の戦争を公式に書いた歴史家が、同じ皇帝と皇后を悪魔と娼婦として描く本を隠して書いた。1623年にヴァチカンで見つかった。同じ人が同じ時代を二通りに書いた、稀な例になる。
場所
コンスタンティノープル
41.01°N 28.98°E · トルコ・イスタンブール
41.01°N 28.98°E · トルコ・イスタンブール
関わった人(1)
プロコピオスAD500年頃–AD565年頃 · 著者本文
『戦史』8巻は公に読まれ、皇帝の戦争を讃えた。 『建築について』は皇帝の建てた聖堂と城砦を讃えた。 その同じ人が、『秘史』を書いて隠した。 ギリシア語の題は『アネクドタ』、公にされないもの。
ユスティニアヌスは人の形をした悪魔で、 夜、宮殿を首なしで歩くのを見た者がいる。 テオドラは女優で娼婦で、舞台でしたことは書けない、と書いてから書いた。 ベリサリウスは妻アントニナの浮気に目をつぶる腑抜けで、 アントニナはテオドラの手先だった。 皇帝は税で属州を絞り、 法を売り、 戦争で何百万人を死なせた。 「彼が殺した人の数は、海の砂より多い」。
550年頃に書かれた。 皇帝夫妻がまだ生きているうちに。 見つかれば死ぬ本だった。
1623年、ヴァチカン図書館で写本が見つかり、 ニッコロ・アラマンニが印刷した。 最初は偽書と疑われた。 文体と細部の一致で、同じ人の作だと確かめられた。
なぜ書いたか。 戦争と建築を讃えた人が、 同じ手で、同じ時代を、逆さまに書いた。 役人として見たことを、役人としては書けなかったからだ、 と考える人が多い。 皇帝の死後に出すつもりだった、とも。 ギボンは「彼は同じインクで、皇帝の墓碑と告発状を書いた」と言った。