概要
飢餓と疫病と戦争を抑え込んだ人類が、次に何を目指すか。『サピエンス全史』の続編。
この物語について
『ホモ・デウス』(ユヴァル・ノア・ハラリ、2015年、日本語版2018年)は、『サピエンス全史』の続編として、過去ではなく先を扱う。
出発点は、数千年のあいだ人類を苦しめてきた三つが、20世紀後半に抑え込まれたという観察になる。飢餓、疫病、そして大国間の戦争。いま世界では、飢えて死ぬ人より食べすぎで死ぬ人のほうが多い。
では次は何か。本の答えは、不死と幸福と神性になる。老いを病として治し、快を化学で調整し、生命そのものを設計し直す。そこで人間は、いままで神に帰していた力を自分で持つことになる。
もう一つの筋が、人間至上主義の終わりになる。一人ひとりの内面と自由意志を最高の価値としてきた近代の信仰は、人間がアルゴリズムだと分かってしまうと支えを失う。そのあとに来るのは、データの流れを最高の価値とする考え方かもしれない、と本は書く。
この物語は、本が使ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。
本が2015年に予測として書いたことのいくつかは、既に起きている。当たったかどうかは、これから分かる。
動画(2)
重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
技術と産業5件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。『サピエンス全史』で読む歴史5件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『繁栄』で読む歴史4件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。感染症と人類3件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。冷戦のあと3件を共有 / 対立の構図が消えたあと、何が残ったのか。1989年からの三十年。『暴力の人類史』で読む歴史3件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。冷戦2件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。文明のはじまり2件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。確かめるという方法2件を共有 / 偉い人がそう言ったから、をやめた話。誰が最初かは、思っているほどはっきりしない。『万物の黎明』で読む歴史2件を共有 / 狩猟採集から農耕へ、村から都市へ、そして国家へ。その一本道の筋書きそのものが間違いだ、という本。二つの大戦1件を共有 / 一発の銃声から31年。二つの戦争は別々ではなく、前者の終わらせ方が後者を呼んだ。主権はだれのものか1件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。考えることの歴史1件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。コテンラジオで聞く歴史1件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史1件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『疫病と世界史』で読む歴史1件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層1件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『世界史』(マクニール)で読む歴史1件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『反穀物の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が穀物を育てたのではなく、穀物と国家が人を囲い込んだ。最初の国家は、なぜ壁の内側に人を閉じ込めたのか。『菊と刀』で読む日本1件を共有 / 一度も日本へ行かないまま、戦時中のアメリカで書かれた日本人論。読み継がれ、批判され続けている。『失敗の本質』で読む日本軍1件を共有 / なぜ負けたのかを、作戦ではなく組織の性質から説明した本。六つの作戦を並べて、同じ型を取り出す。『暴力と不平等の人類史』で読む格差1件を共有 / 格差を大きく縮めたのは、改革ではなく破局だった。戦争、革命、国家の崩壊、疫病の四つしかない、という本。『昨日までの世界』で読む伝統社会1件を共有 / 国家のない社会は、争いも子育ても老いも、私たちと違うやり方で扱ってきた。何を学べるか。筋(10)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
認知革命できごと / 約7万年前〜3万年前 / 前著の起点。虚構が協力を生んだ農耕の始まりできごと / 紀元前90世紀 / 人と動物の関係が変わった『種の起源』できごと / AD1859年11月24日 / 人間を特別でなくした発見広島・長崎への原爆投下できごと / AD1945年8月6日 / 大国間の戦争が割に合わなくなる世界人権宣言できごと / AD1948年12月10日 / 人間至上主義という宗教の、いちばん明快な文書DNAの二重らせんできごと / AD1953年緑の革命できごと / AD1965年 / 飢餓を抑え込んだ天然痘の根絶宣言できごと / AD1980年5月8日 / 疫病を人が抑え込んだヒトゲノム解読の完了できごと / AD2003年4月14日 / 生命をデータとして読む生成AIの普及できごと / AD2022年11月30日 / 本の刊行後に来た、まさにその話