概要
道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。
この物語について
青銅から鉄へ、車輪から蒸気へ。技術の歴史でおもしろいのは、一つの発明が別の分野を予期せず動かすところにある。
中国で生まれた紙はタラス河畔で西へ渡り、600年後にグーテンベルクの手で印刷術になった。その印刷術がルターの主張を数週間でドイツ中に配り、西方教会を割る。技術が信仰を動かした。
蒸気機関が生産を人と家畜の力から切り離し、鉄道が距離を縮め、電信が情報を移動から切り離した。そして20世紀、核分裂は都市を一発で消す力になり、CERNで提案された仕組みは誰でも情報を出せる世界を作った。
間隔がどんどん短くなっているのが、この年表で一番はっきり見える。
動画(1)
重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
確かめるという方法12件を共有 / 偉い人がそう言ったから、をやめた話。誰が最初かは、思っているほどはっきりしない。『繁栄』で読む歴史11件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。『サピエンス全史』で読む歴史10件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『世界史』(マクニール)で読む歴史6件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。二つの大戦5件を共有 / 一発の銃声から31年。二つの戦争は別々ではなく、前者の終わらせ方が後者を呼んだ。交易路とお金5件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史5件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。宗教改革と科学革命4件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。冷戦のあと4件を共有 / 対立の構図が消えたあと、何が残ったのか。1989年からの三十年。文明のはじまり4件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。コテンラジオで聞く歴史4件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史4件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『大分岐』で読む歴史4件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。古代オリエント3件を共有 / 文字も法も都市も、まずここで生まれた。そして次々に主が入れ替わる2500年。冷戦3件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。イスラム世界3件を共有 / 一世紀でイベリアからインダスまで。学問を受け継ぎ、育て、そして西へ返した。考えることの歴史3件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。誰が書き残したか3件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。感染症と人類2件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。都市の歴史2件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。表現の歴史2件を共有 / 書いた人、描いた人、作った人。政治と戦争のあいだに、ずっと別の営みがあった。明治1件を共有 / 藩を消し、身分を消し、40年で列強と戦えるところまで作り替えた。その代償も含めて。武士の700年1件を共有 / 地方の武装集団が政権を取り、そして自ら身分ごと消えるまで。中国の王朝1件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。探検と発見1件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。草原の帝国1件を共有 / 匈奴からジュンガルまで、2500年のあいだ農耕世界の北にいた人たちの側から歴史を並べる。キリスト教のひろがり1件を共有 / 迫害される小集団が、300年で帝国の宗教になり、そこから何度も割れながら世界へ出ていった。『疫病と世界史』で読む歴史1件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『暴力の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。筋(52)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
縄文土器できごと / 紀元前140世紀農耕の始まりできごと / 紀元前90世紀車輪の登場できごと / 紀元前35世紀ギザの大ピラミッド建設できごと / BC2560年頃アルファベットの成立できごと / BC11世紀頃 / 書くことが専門職の手から離れる鉄が広まるできごと / BC12〜BC9世紀 / 遠距離交易に頼らずに刃物が作れるようになったハルシュタットの鉄と塩できごと / BC8世紀頃(BC12〜BC5世紀)リュディアの鋳造貨幣できごと / BC7世紀後半 / 重さを量らずに数えて払えるようになったドンソンの銅鼓できごと / BC6世紀頃(BC10〜BC1世紀)ノク文化の製鉄できごと / BC500年 / 西アフリカで独自に鉄が作られた地球の大きさが測られるできごと / BC240年頃 / 影の差から地球の大きさを計算した蔡倫人物 / AD50年頃 – AD121年蔡倫の製紙法できごと / AD105年 / ここから紙の旅が始まるタラス河畔の戦いできごと / AD751年 / 製紙法が西へ渡る宋の活字と羅針盤できごと / AD1040年頃 / 活字・羅針盤・火薬グーテンベルク人物 / AD1400年頃 – AD1468年グーテンベルクの活版印刷できごと / AD1455年頃 / 600年かけて紙が印刷術になったチャルディラーンの戦いできごと / AD1514年 / 火器が騎兵を過去のものにした95か条の論題できごと / AD1517年10月31日 / 技術が信仰を動かした鉄砲伝来できごと / AD1543年王立協会の設立できごと / AD1660年ニューコメンの蒸気機関できごと / AD1712年 / ワットの60年前ジェームズ・ワット人物 / AD1736年 – AD1819年産業革命できごと / 1760年 / 生産が人と家畜の力から切り離されるワットの蒸気機関できごと / AD1769年 / 既にあった蒸気機関が、工場に置ける道具になるジョージ・スティーヴンソン人物 / AD1781年 – AD1848年マイケル・ファラデー人物 / AD1791年9月22日 – AD1867年8月25日 / 発電機とモーターの元になった鉄道の開業できごと / AD1825年9月27日 / 距離が縮む岩崎弥太郎人物 / AD1835年1月9日 – AD1885年2月7日 / 海運の独占フリッツ・ハーバー人物 / AD1868年12月9日 – AD1934年1月29日スエズ運河の開通できごと / AD1869年11月17日アインシュタイン人物 / AD1879年3月14日 – AD1955年4月18日電流戦争できごと / AD1888年ラジウムの発見できごと / AD1898年ライト兄弟の初飛行できごと / AD1903年12月17日湯川秀樹人物 / AD1907年1月23日 – AD1981年9月8日アラン・チューリング人物 / AD1912年6月23日 – AD1954年6月7日ハーバー・ボッシュ法できごと / AD1913年 / 空気から肥料「計算可能な数について」できごと / AD1936年 / 計算する機械という考えの出発点エニグマの解読できごと / AD1940年広島・長崎への原爆投下できごと / AD1945年8月6日 / 技術が人類を絶滅させうる力になったトリニティ実験できごと / AD1945年7月16日DNAの二重らせんできごと / AD1953年ティム・バーナーズ=リー人物 / AD1955年6月8日 – ? / 特許を取らずに公開したスプートニク1号できごと / AD1957年10月4日緑の革命できごと / AD1965年 / 飢えを消した技術が、別の問題を作ったアポロ11号の月面着陸できごと / AD1969年7月20日World Wide Web の誕生できごと / AD1989年 / 印刷術以来の変化スマートフォンの登場できごと / AD2007年6月29日東日本大震災と福島第一原発事故できごと / AD2011年3月11日 / 技術が支えていたものが、一度に止まったCRISPR-Cas9によるゲノム編集できごと / AD2012年6月28日生成AIの普及できごと / AD2022年11月30日