概要
運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。
この物語について
交易路は物より先に、値段と情報を運ぶ。突厥が絹の道の値段を握り、シュリーヴィジャヤがマラッカ海峡の通行を握り、キルワがインド洋の季節風の折り返し地点を握った。押さえるべきは産地ではなく、通り道の細いところだった。
ガーナ王国の金と、サハラを越えて来る塩。金は装飾品にしかならないが、塩がないと人は死ぬ。同じ重さで交換されていたという記述が残っている。
16世紀に、ポトシで掘られた銀がヨーロッパを経て中国へ流れた。マニラのガレオン船が太平洋を横断し、地球を一周するお金の流れが初めてできる。そして同じ航路と同じ会社の仕組みが、人を商品として運ぶのにも使われた。交易の歴史は、そこを避けては書けない。
動画(2)
重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
帝国と独立20件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。探検と発見10件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。『サピエンス全史』で読む歴史9件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史9件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。イスラム世界8件を共有 / 一世紀でイベリアからインダスまで。学問を受け継ぎ、育て、そして西へ返した。都市の歴史8件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。中国の王朝5件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。技術と産業5件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。考えることの歴史5件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。誰が書き残したか5件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。『大分岐』で読む歴史5件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『繁栄』で読む歴史5件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。大航海時代4件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。草原の帝国4件を共有 / 匈奴からジュンガルまで、2500年のあいだ農耕世界の北にいた人たちの側から歴史を並べる。キリスト教のひろがり4件を共有 / 迫害される小集団が、300年で帝国の宗教になり、そこから何度も割れながら世界へ出ていった。主権はだれのものか3件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史3件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。インドと仏教2件を共有 / 一人の王子が始めた問いが、アショーカ王に拾われ、玄奘に運ばれ、東アジアへ届くまで。ローマ人の物語2件を共有 / ラティウムの一都市が地中海全域を呑み込み、そして西半分が消えるまでの1200年。朝鮮半島2件を共有 / 大陸と島国のあいだで、独自の文字と技術を育てた1300年。東ローマ千年2件を共有 / ローマの西半分が消えたあと、東半分は1000年続いた。その中身をローマの続きとして並べる。冷戦のあと2件を共有 / 対立の構図が消えたあと、何が残ったのか。1989年からの三十年。コテンラジオで聞く歴史2件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『世界史』(マクニール)で読む歴史2件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。宗教改革と科学革命1件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。古代オリエント1件を共有 / 文字も法も都市も、まずここで生まれた。そして次々に主が入れ替わる2500年。ポエニ戦争1件を共有 / 地中海の覇権をめぐる、ローマとカルタゴの120年。三度戦い、三度目でカルタゴは消えた。武士の700年1件を共有 / 地方の武装集団が政権を取り、そして自ら身分ごと消えるまで。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。表現の歴史1件を共有 / 書いた人、描いた人、作った人。政治と戦争のあいだに、ずっと別の営みがあった。『暴力の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。筋(103)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
カルタゴの建設できごと / BC814年(伝承)ハルシュタットの鉄と塩できごと / BC8世紀頃(BC12〜BC5世紀) / 岩塩坑の塩で栄えた管仲人物 / ? – BC645年 / 塩と鉄を国が握るリュディアの鋳造貨幣できごと / BC7世紀後半ドンソンの銅鼓できごと / BC6世紀頃(BC10〜BC1世紀) / 銅鼓の分布が海の道を示している。国家より先に、広い交換の網があったクロイソス人物 / BC595年頃 – BC546年頃張騫の西域派遣できごと / BC138年 / 絹の道は、同盟を探した副産物として開いた霍去病の河西遠征できごと / BC121年ナバテア人のペトラできごと / BC1世紀 / 乳香と没薬の道の要塩鉄会議できごと / BC81年 / 専売か市場かローマの絹できごと / AD14年 / 国富が東へ流れると嘆かれた『エリュトラー海案内記』できごと / AD60年頃 / 港ごとに、売れる物と買える物扶南の港市できごと / AD100年 / インド洋と南シナ海の中継地アクスム王国国 / AD1世紀頃 – AD940年頃(衰退と滅亡には諸説ある) / 紅海の交易で栄えた蔡倫の製紙法できごと / AD105年大秦王安敦の使者できごと / AD166年 / 両側から手を伸ばして届かなかったチャンパ国 / AD192年(林邑の自立) – AD1832年(阮朝による併合) / 宋と日本と交易した海の国サハラへのラクダの導入できごと / 3世紀 / これで砂漠が越えられるものになったアクスムの紅海交易できごと / AD300年頃シュリーヴィジャヤ国 / AD7世紀半ば – AD13世紀後半(衰退と消滅には諸説ある) / マラッカ海峡の通行料で栄えた義浄のシュリーヴィジャヤ滞在できごと / AD671年 / 海峡の国に千人の僧がいた、と記録が伝えるヴェネツィア共和国国 / AD697年(最初のドージェの選出。伝承) – AD1797年(ナポレオンによる解体) / 地中海東部の海を握ったシュリーヴィジャヤの海上交易できごと / AD700年頃 / マラッカ海峡という細いところを押さえたガーナ帝国国 / AD8世紀頃 – AD1240年頃(マリに吸収される) / 南の金と北の塩を交換する場所を押さえたタラス河畔の戦いできごと / AD751年 / 紙が西へ渡る。運ばれたのは物だけではないガーナ王国の金と塩の交易できごと / AD800年頃 / 金と塩が同じ重さで交換されたと伝わる張保皐の清海鎮できごと / AD828年 / 唐・新羅・日本を結ぶ海の交易張保皐人物 / ? – AD846年チョーラ朝国 / AD848年頃(ヴィジャヤーラヤの復興) – AD1279年 / ベンガル湾を渡ってシュリーヴィジャヤを攻めたアル=マスウーディー人物 / AD896年頃 – AD956年ファーティマ朝国 / AD909年(イフリーキヤでの成立) – AD1171年(サラーフッディーンによる廃止) / 地中海とインド洋の交易をつなぐ位置にあった『黄金の牧場』できごと / AD947年ラージェーンドラ1世人物 / AD971年頃 – AD1044年 / インドの王朝が海の向こうへ軍を出した数少ない例スワヒリ海岸の交易都市できごと / AD1000年ヴェネツィアのダルマティア遠征できごと / AD1000年 / アドリア海がヴェネツィアの湾になったラージャラージャ1世人物 / ? – AD1014年チョーラ朝の海上進出できごと / AD1025年チョーラのシュリーヴィジャヤ遠征できごと / AD1025年 / インドの王朝が海の向こうへ軍を送った、ほとんど唯一の例ムラービト朝のガーナ攻撃できごと / AD1076年 / 交易路が東へずれ、マリが出てくるカネム=ボルヌの隆盛できごと / AD1100年頃グレート・ジンバブエ国 / AD11世紀頃 – AD1450年頃(放棄) / 内陸の金を海岸の港へ流す網の要エンリコ・ダンドロ人物 / AD1107年頃 – AD1205年 / 船賃の代わりに帝都を取ったマリ帝国国 / AD1235年(キリナの戦い) – AD1610年頃(三つに分かれる) / 金と塩。サハラを越える交易の南の端ハンザ同盟できごと / AD1241年 / 都市どうしが国を介さずに結んだキプチャク汗国国 / AD1242年(バトゥの西征の終わり) – AD1502年(大オルダの滅亡) / ヴォルガの都サライは交易で栄えたマムルーク朝国 / AD1250年 – AD1517年(オスマンによる征服) / 香辛料の道を握ったガジャ・マダ人物 / AD1290年頃 – AD1364年マジャパヒト国 / AD1293年(元軍を追い返して成立) – AD1527年(ドマクのイスラム勢力に滅ぼされる)『東方見聞録』できごと / AD1298年(獄中での口述)キルワとインド洋交易できごと / AD1300年頃 / インド洋の季節風の折り返し地点グレート・ジンバブエの繁栄できごと / AD1300年頃オヨ王国国 / AD14世紀頃 – AD1836年(イロリンの離反による崩壊)イブン・バットゥータ人物 / AD1304年2月24日 – AD1369年頃 / 30年で12万km。マルコ・ポーロの三倍マンサ・ムーサの巡礼できごと / AD1324年 / 道中で配った金が相場を崩したイブン・バットゥータの旅できごと / AD1325年マジャパヒト王国の隆盛できごと / AD1350年頃アユタヤ朝国 / AD1351年(ウートン王の即位) – AD1767年(コンバウン朝ビルマによる陥落)鄭和人物 / AD1371年 – AD1433年頃コンゴ王国国 / AD1390年頃 – AD1665年(アンブイラの戦いで王が戦死し、以後分裂) / ポルトガルとのやり取りは、しだいに人の売買になっていったベニン王国の青銅器できごと / AD1400年頃 / 青銅の材料は交易で入ってきたマラッカ王国の成立できごと / AD1400年頃鄭和の南海遠征できごと / 1405年 / 植民も征服もせず、朝貢の関係を結んで帰ったイブン・マージド人物 / AD1432年頃 – AD1500年頃ロレンツォ・デ・メディチ人物 / AD1449年1月1日 – AD1492年4月8日 / 銀行家が都市と芸術の後ろ盾になったアフォンソ1世人物 / AD1456年頃 – AD1543年ソンガイ帝国国 / AD1464年(ソンニ・アリ即位) – AD1591年(トンディビの戦い)ヴィジャヤの陥落できごと / AD1471年 / チャンパが南の一角に縮むクリシュナデーヴァラーヤ人物 / AD1471年 – AD1529年 / ポルトガルから馬を買ったコンゴ王国とポルトガルの接触できごと / AD1483年 / 対等な国どうしとして始まったソンニ・アリ人物 / ? – AD1492年アスキア・ムハンマドのソンガイできごと / 1493年マリンディの水先案内できごと / AD1498年カリカット到着できごと / AD1498年5月20日 / 数百年動いていた交易に、外から入ってきたソンガイ帝国の最盛期できごと / AD1500年頃大西洋奴隷貿易できごと / 1526年 / 同じ航路と同じ会社の仕組みが、人を運ぶのにも使われたアフォンソ1世の手紙できごと / AD1526年 / やり取りの中身が人の売買になっていくポトシ銀山の開発できごと / AD1545年 / ここで掘られた銀が世界を一周するマニラ・ガレオン貿易できごと / 1565年 / 太平洋を渡って中国へアミナ女王のザザウできごと / AD16世紀後半ネーデルラント連邦共和国国 / AD1581年(廃位布告) – AD1795年(フランス軍の侵入による崩壊) / 株式会社と証券取引所と中央銀行がほぼ同時に生まれたオヨ王国の騎兵できごと / AD17世紀 / 北から馬を買い、南へ人を売ったオランダ東インド会社の設立できごと / AD1602年3月20日 / 株を転売できる会社の最初大英帝国国 / AD1607年(ヴァージニアの入植) – AD1997年(香港の返還)オランダ東インド会社のバタヴィアできごと / AD1619年 / 会社が国のように領土を持つンジンガのポルトガル抵抗できごと / 1624年チューリップ・バブルできごと / 1636年ジョン・ロー人物 / AD1671年4月21日 – AD1729年3月21日イングランド銀行の設立できごと / AD1694年 / 国の借金を議会が保証する。信用の仕組みが国家の力になるアシャンティ王国できごと / AD1701年アシャンティ王国国 / AD1701年(オセイ・トゥトゥの即位) – AD1902年(イギリスによる併合)ミシシッピ会社のバブルできごと / 1719年 / 紙幣と株で国の借金を消そうとしたアダム・スミス人物 / AD1723年(6月5日洗礼) – AD1790年7月17日 / 「見えざる手」は本の中で一度しか出てこないナーディル・シャーのデリー略奪できごと / AD1739年オラウダ・イクイアーノ人物 / AD1745年頃 – AD1797年3月31日 / 自分の値段を貯めて自由を買い戻した『国富論』できごと / AD1776年 / 分業と市場が国を豊かにするバンコクへの遷都できごと / AD1782年イクイアーノの自伝できごと / AD1789年 / 自分で自由を買い戻した人が書いた『富嶽三十六景』できごと / 1830年 / 顔料が交易で入ってきた日本最初の銀行の設立できごと / AD1873年フィジーへの年季労働移民できごと / AD1879年 / 奴隷制の後に作られた、別の形の労働の移動オイルショックできごと / AD1973年 / 一つの資源の値段が世界中の暮らしを変えたアジア通貨危機できごと / AD1997年世界金融危機できごと / AD2008年