概要
人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。
この物語について
『暴力の人類史』(スティーブン・ピンカー、2011年、日本語版2015年)は、人口あたりで数え直せば、いまは人類史で最も暴力の少ない時代だ、と主張する。
本は減少を何段階かに分ける。国家ができて私的な復讐が抑えられたこと。中世から近世にかけて礼儀と自制が広まり、殺人率が桁で下がったこと。18世紀に拷問、魔女裁判、残虐な処刑、奴隷制が次々に否定されたこと。1945年以降、大国どうしが戦争をしなくなったこと。20世紀後半から、少数者、女性、子ども、動物への暴力が問題にされるようになったこと。
この物語は、本が例に使ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。本が「人類史で最も死者の多い出来事」として挙げる表には、安史の乱やモンゴルの征服のように、人口比で見れば二つの大戦を上回るものが並ぶ。それらもここに入れてある。
反論は本の主張と同じくらい知られている。先史時代の暴力の推定は少数の遺跡に頼りすぎている、人口比で割ると死者の絶対数の重さが消える、核戦争の危険は率では測れない、といったものになる。反論側の番組も同じ物語に付けてある。
動画(2)
重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
二つの大戦5件を共有 / 一発の銃声から31年。二つの戦争は別々ではなく、前者の終わらせ方が後者を呼んだ。『サピエンス全史』で読む歴史5件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。冷戦4件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。考えることの歴史4件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。コテンラジオで聞く歴史4件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史4件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『世界史』(マクニール)で読む歴史4件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。主権はだれのものか3件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。中国の王朝2件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。感染症と人類2件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。草原の帝国2件を共有 / 匈奴からジュンガルまで、2500年のあいだ農耕世界の北にいた人たちの側から歴史を並べる。冷戦のあと2件を共有 / 対立の構図が消えたあと、何が残ったのか。1989年からの三十年。文明のはじまり2件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史2件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『疫病と世界史』で読む歴史2件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『繁栄』で読む歴史2件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。宗教改革と科学革命1件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。技術と産業1件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。交易路とお金1件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『文明崩壊』で読む歴史1件を共有 / イースター島、マヤ、グリーンランドのノルウェー人。環境を使い尽くした社会と、そうしなかった社会。『大分岐』で読む歴史1件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。筋(21)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
認知革命できごと / 約7万年前〜3万年前 / 第2章。国家のない社会の暴力の推定は、ここからの遺骨に頼る農耕の始まりできごと / 紀元前90世紀 / 第2章。国家ができて私的な復讐が抑えられた、という筋の前提安史の乱できごと / 755年 / 本の「最も死者の多い出来事」の表で、人口比では首位チンギス・ハン人物 / AD1162年頃 – AD1227年モンゴル帝国の拡大できごと / 1206年 / 同じ表の上位大西洋奴隷貿易できごと / 1526年 / 第4章。廃止されたこと自体が本の主題三十年戦争できごと / 1618年 / 第3章と第5章。人口比では二つの大戦に並ぶヴォルテール人物 / AD1694年11月21日 – AD1778年5月30日 / 第4章チェーザレ・ベッカリーア人物 / AD1738年3月15日 – AD1794年11月28日 / 第4章の主役『犯罪と刑罰』できごと / AD1764年 / 第4章。拷問と死刑が否定されはじめる起点アメリカ独立宣言できごと / AD1776年7月4日 / 第4章人権宣言できごと / AD1789年8月26日 / 第4章ヨシフ・スターリン人物 / AD1878年12月18日 – AD1953年3月5日ヒトラー人物 / AD1889年4月20日 – AD1945年4月30日第一次世界大戦できごと / 1914年 / 第5章第二次世界大戦できごと / 1939年 / 第5章。絶対数では最大、人口比では最大ではない、と本は言うホロコーストできごと / 1941年世界人権宣言できごと / AD1948年12月10日 / 第7章キューバ危機できごと / AD1962年 / 第5章。核戦争が起きなかったことを「長い平和」と呼ぶルワンダ虐殺できごと / 1994年 / 第6章アパルトヘイトの終結できごと / AD1994年 / 第7章