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Story / ストーリー

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で読む歴史

出てくるできごと AD1517 – AD1760
できごと 5人物 4

概要

資本主義を生んだのは強欲ではなく、救われているか分からない不安だった、という100年前の論文。

この物語について

『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ウェーバー、1904〜05年)は、統計の観察から始まる。ドイツで、資本家と熟練工と企業の経営者に、プロテスタントが目立って多い。なぜか。

答えは、教義の副産物として出てくる。カルヴァンの予定説では、誰が救われるかは既に決まっていて、人にできることは何も無い。これは耐えがたい不安になる。人びとは、自分の職業に打ち込んで成功することを、救いのしるしとして読むようになった。儲けたぶんを使わずに、また事業に入れる。禁欲と蓄積が同じ一つの行為になったところに、資本主義の「精神」が生まれた、という筋になる。

そして皮肉な結末が来る。一度その仕組みが動き出すと、宗教はもう要らない。禁欲だけが残り、鉄の檻のように人を閉じ込める、と本は書いて終わる。

この物語は、本が例に使ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。

反論は多い。カトリックの北イタリアで銀行と簿記が先に育っていたこと、同じ時期の中国や日本でも同じような勤勉が育っていたこと。この年表にある『大分岐』は、まさにその方向から反論している。

動画(1)

16. Weber on Protestantism and CapitalismYaleCourses大学の社会学の講義一回ぶん。本の論証の順序をそのまま追う

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

宗教改革と科学革命3件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。コテンラジオで聞く歴史3件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。技術と産業2件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。都市の歴史2件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。主権はだれのものか2件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。キリスト教のひろがり2件を共有 / 迫害される小集団が、300年で帝国の宗教になり、そこから何度も割れながら世界へ出ていった。『サピエンス全史』で読む歴史2件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史2件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層2件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『大分岐』で読む歴史2件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『近代世界システム』で読む歴史2件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。考えることの歴史1件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。確かめるという方法1件を共有 / 偉い人がそう言ったから、をやめた話。誰が最初かは、思っているほどはっきりしない。『世界史』(マクニール)で読む歴史1件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『繁栄』で読む歴史1件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。『想像の共同体』で読む歴史1件を共有 / 国民とは、会ったこともない人を同じ仲間だと思える想像力のことだ、という本。『大転換』で読む歴史1件を共有 / 市場はずっと社会の一部だった。それが逆転して、社会のほうが市場に合わせはじめた19世紀に何が起きたか。『中世の秋』で読む中世の終わり1件を共有 / ルネサンスの前夜ではなく、中世そのものの終わり方。過剰な儀礼と、死への執着に覆われた14〜15世紀。『チーズとうじ虫』で読む一人の宇宙1件を共有 / 16世紀の村の粉挽きが、世界は腐ったチーズから生まれたと語った。裁判の記録から、一人の頭の中を復元する。『砂糖の世界史』で読む世界商品1件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。『リオリエント』で読む世界経済1件を共有 / 1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。

筋(9)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

マルティン・ルター人物 / AD1483年11月10日 – AD1546年2月18日ジャン・カルヴァン人物 / AD1509年7月10日 – AD1564年5月27日95か条の論題できごと / AD1517年10月31日 / 第1章。ルターの「天職」という訳語から話が始まるカルヴァンのジュネーヴできごと / AD1541年 / 第2章。予定説と、その耐えがたさオランダの黄金時代できごと / 1600年 / 禁欲と蓄積が同じ行為になった社会清教徒革命と国王処刑できごと / 1642年 / ピューリタンが政治の前面に出るベンジャミン・フランクリン人物 / AD1706年1月17日 – AD1790年4月17日 / 本が「資本主義の精神」の見本として引く人産業革命できごと / 1760年 / 宗教が抜けても、勤勉だけが残るマックス・ウェーバー人物 / AD1864年4月21日 – AD1920年6月14日 / 著者