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Story / ストーリー

『リオリエント』で読む世界経済

出てくるできごと AD1004 – AD1840
できごと 94

概要

1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。

この物語について

『リオリエント』(アンドレ・グンダー・フランク、1998年、日本語版2000年)は、世界システム論の内側から、その世界システム論に反論する。

ウォーラーステインは、近代の世界システムが1500年のヨーロッパで生まれたと書いた。フランクは、それより前から一つの世界経済があり、中心はずっとアジアだった、と言う。

証拠として挙げるのは、銀の流れになる。アメリカ大陸で掘られた銀の多くが、ヨーロッパを通り抜けて中国へ流れた。ヨーロッパが売れるものはほとんど無く、アジアの製品を買うために銀を渡し続けた。茶、絹、綿布、磁器。世界市場で最も売れていたのは、どれもアジアの品だった。

ではヨーロッパは何をしたのか。フランクの答えは辛辣で、アメリカの銀という「切符」を手に入れて、既に走っていたアジアの列車に乗った、というものになる。

19世紀の逆転は、ヨーロッパが優れていたからではなく、アジアの側が人口の圧力で行き詰まり、そこへ石炭と機械が来たからだ、と論じる。

この物語は、本が使ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。

この年表には、同じ問いに違う答えを出す本が並んでいる。『大分岐』は地理と偶然、『国家はなぜ衰退するのか』は制度、『近代世界システム』は分業の構造。読み比べられる。

動画(1)

ReOrient: Global Historiography and Social TheoryCaciano Machado世界史の書き方をアジアの側から組み替える、という本の主題を扱う

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

中国の王朝6件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。交易路とお金6件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『大分岐』で読む歴史6件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『サピエンス全史』で読む歴史5件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『近代世界システム』で読む歴史5件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。大航海時代4件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史4件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層4件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『世界史』(マクニール)で読む歴史4件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『1491』『1493』で読む新大陸4件を共有 / コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。コテンラジオで聞く歴史3件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『地中海』で読む歴史3件を共有 / 歴史には三つの速さがある。ほとんど動かない時間、ゆっくり動く時間、そして事件。捕虜収容所で書かれた本。『交易の世界史』で読む物の流れ3件を共有 / シュメールの銅から現代のコンテナまで。人が物を遠くへ運ぶために、何をしてきたか。イスラム世界2件を共有 / 一世紀でイベリアからインダスまで。学問を受け継ぎ、育て、そして西へ返した。探検と発見2件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。技術と産業2件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。帝国と独立2件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史2件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『中国の科学と文明』で読む技術の歴史2件を共有 / 中国には長い科学技術の蓄積があった。では、なぜ近代科学はそこで生まれなかったのか。『砂糖の世界史』で読む世界商品2件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。『収奪された大地』で読むラテンアメリカ2件を共有 / 500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。宗教改革と科学革命1件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。朝鮮半島1件を共有 / 大陸と島国のあいだで、独自の文字と技術を育てた1300年。感染症と人類1件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。都市の歴史1件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。草原の帝国1件を共有 / 匈奴からジュンガルまで、2500年のあいだ農耕世界の北にいた人たちの側から歴史を並べる。東ローマ千年1件を共有 / ローマの西半分が消えたあと、東半分は1000年続いた。その中身をローマの続きとして並べる。接触前のアメリカ1件を共有 / 旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。表現の歴史1件を共有 / 書いた人、描いた人、作った人。政治と戦争のあいだに、ずっと別の営みがあった。『繁栄』で読む歴史1件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。『オリエンタリズム』で読む歴史1件を共有 / 西洋が「東洋」について語ってきたことは、東洋についての知識ではなく、西洋についての物語だった、という本。『負債論』で読む歴史1件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で読む歴史1件を共有 / 資本主義を生んだのは強欲ではなく、救われているか分からない不安だった、という100年前の論文。『ヨーロッパ覇権以前』で読む13世紀1件を共有 / 1250年から1350年まで、世界はすでに一つにつながっていた。ただし中心はヨーロッパではなかった。『大転換』で読む歴史1件を共有 / 市場はずっと社会の一部だった。それが逆転して、社会のほうが市場に合わせはじめた19世紀に何が起きたか。

筋(13)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

景徳鎮の磁器できごと / 1004年 / 世界市場で最も売れていたのはアジアの製品オスマン帝国国 / AD1299年頃 – AD1922年(スルタン制の廃止)鄭和の南海遠征できごと / 1405年コロンブスの到達できごと / AD1492年10月12日 / 世界システムはヨーロッパが作ったのではないムガル帝国国 / AD1526年(第一次パーニーパットの戦い) – AD1857年(インド大反乱の敗北による廃位)ポトシ銀山の開発できごと / AD1545年 / 銀はヨーロッパを通り抜けて中国へ流れたマニラ・ガレオン貿易できごと / 1565年ネーデルラント連邦共和国国 / AD1581年(廃位布告) – AD1795年(フランス軍の侵入による崩壊)国 / AD1644年(北京入城) – AD1912年(宣統帝の退位)広州の茶貿易できごと / 1700年乾隆帝の治世できごと / 1735年 / 18世紀まで中国が世界経済の中心産業革命できごと / 1760年 / ここで初めて西が上がるアヘン戦争できごと / 1840年