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Story / ストーリー

『収奪された大地』で読むラテンアメリカ

出てくるできごと AD1492 – AD1973
できごと 10人物 12

概要

500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。

この物語について

『収奪された大地』(エドゥアルド・ガレアーノ、1971年、日本語版1986年)は、歴史書というより、告発の文章になる。

構成は品物ごとになる。ポトシの銀、ブラジルの金、カリブの砂糖、アマゾンのゴム、中米のバナナ、チリの銅、ベネズエラの石油。どれも、掘り出され、運び出され、あとに貧しい土地が残った。

本の言い方はこうなる。ラテンアメリカが貧しいのは資源が無いからではない。豊かだったからだ。

刊行の2年後、チリでクーデターが起きた。この本はチリ、アルゼンチン、ウルグアイの軍事政権に発禁にされ、著者は投獄されたのち亡命した。

2014年、著者自身が「いま読み返すと文体が耐えられない」「経済学を知らずに経済の本を書いた」と述べた。撤回ではなく、若書きへの自己批判として語られている。それでも本は読まれ続けている。

この物語は、本が追った品物を並べ直したものになる。本文は写していない。

動画(1)

Eduardo Galeano, Chronicler of Latin America's "Open Veins"Democracy Now!著者本人が、なぜ被害を受けた側の言葉で書いたのかを語る

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

接触前のアメリカ6件を共有 / 旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。『サピエンス全史』で読む歴史6件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史6件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。大航海時代5件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。交易路とお金5件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『近代世界システム』で読む歴史5件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。感染症と人類4件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史4件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『1491』『1493』で読む新大陸4件を共有 / コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。帝国と独立3件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。『地中海』で読む歴史3件を共有 / 歴史には三つの速さがある。ほとんど動かない時間、ゆっくり動く時間、そして事件。捕虜収容所で書かれた本。冷戦2件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。誰が書き残したか2件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。『疫病と世界史』で読む歴史2件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層2件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『大分岐』で読む歴史2件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『負債論』で読む歴史2件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『砂糖の世界史』で読む世界商品2件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。『リオリエント』で読む世界経済2件を共有 / 1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。探検と発見1件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。主権はだれのものか1件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。『暴力の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。『世界史』(マクニール)で読む歴史1件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『地に呪われたる者』で読む脱植民地1件を共有 / 植民地支配が人の心に何をするかを、精神科医が診察室から書いた。36歳で死ぬ年に口述された本。『交易の世界史』で読む物の流れ1件を共有 / シュメールの銅から現代のコンテナまで。人が物を遠くへ運ぶために、何をしてきたか。『黒い皮膚・白い仮面』で読む植民地の心1件を共有 / 支配される側が、支配する側の目で自分を見てしまう。27歳の精神科医が書いた最初の本。

筋(13)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

インカ帝国国 / AD1438年(パチャクテク即位) – AD1533年(アタワルパの処刑)コロンブスの到達できごと / AD1492年10月12日スペイン帝国国 / AD1492年(グラナダ陥落とコロンブスの航海) – AD1898年(米西戦争で最後の海外領土を失う)テノチティトランの陥落できごと / AD1521年大西洋奴隷貿易できごと / 1526年インカ帝国の滅亡できごと / AD1533年ポトシ銀山の開発できごと / AD1545年 / 本の中心。山ひとつが人を呑んだカリブの砂糖プランテーションできごと / 1640年メキシコの独立できごと / 1810年 / 独立しても構造は変わらなかったユナイテッド・フルーツと「バナナ共和国」できごと / 1899年 / バナナと、それを守るための介入エドゥアルド・ガレアーノ人物 / AD1940年9月3日 – AD2015年4月13日 / 著者『収奪された大地』の刊行できごと / AD1971年 / 本そのもの。刊行の2年後に南米で発禁になるチリのクーデターできごと / AD1973年9月11日 / 本が発禁になった政権