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Story / ストーリー

『1491』『1493』で読む新大陸

出てくるできごと BC14000ごろ – AD1845
できごと 133

概要

コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。

この物語について

『1491』(チャールズ・C・マン、2005年)と『1493』(2011年)は、一つの年を挟んだ二冊になる。

『1491』は、接触前のアメリカを扱う。人口は長く見積もられてきたより桁違いに多く、アマゾンの「手つかずの原生林」は人が土を作って育てた果樹園に近く、北米の草原は先住民が火で維持していた。ヨーロッパ人が見た「豊かな自然」は、疫病で人が消えたあとの風景だった、という筋になる。

『1493』は、そのあとを扱う。コロンブスが始めたのは航路ではなく、生き物の交換だった。ジャガイモとトウモロコシがヨーロッパと中国の人口を増やし、アンデスのジャガイモに付いてきた病がアイルランドを飢えさせ、アメリカの銀が中国へ流れ、マラリアと黄熱病の分布が奴隷制の形を決めた。著者はこの時代を「ホモゲノセン(均質新世)」と呼ぶ。

この物語は、二冊が扱ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。章題は番号と主題で書いた。

動画(2)

1491: Rewriting the History Before Columbus - Charles C. MannHCTV Lectures著者本人が『1491』の中身を講演する
Charles C. Mann on 1493 - The John Adams InstituteThe John Adams Institute続編『1493』のほう。交換の side effect を追う

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

接触前のアメリカ11件を共有 / 旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史8件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『サピエンス全史』で読む歴史7件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『近代世界システム』で読む歴史4件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。『リオリエント』で読む世界経済4件を共有 / 1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。『収奪された大地』で読むラテンアメリカ4件を共有 / 500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。大航海時代3件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。感染症と人類3件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。都市の歴史3件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。交易路とお金3件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『大分岐』で読む歴史3件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。帝国と独立2件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。文明のはじまり2件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史2件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層2件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『世界史』(マクニール)で読む歴史2件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『負債論』で読む歴史2件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『地中海』で読む歴史2件を共有 / 歴史には三つの速さがある。ほとんど動かない時間、ゆっくり動く時間、そして事件。捕虜収容所で書かれた本。『砂糖の世界史』で読む世界商品2件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。中国の王朝1件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。探検と発見1件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。民族移動の時代1件を共有 / 4〜6世紀、ユーラシアの東西で同時に人が動いた。ローマだけの話ではない。コテンラジオで聞く歴史1件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『疫病と世界史』で読む歴史1件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『暴力の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。『オリエンタリズム』で読む歴史1件を共有 / 西洋が「東洋」について語ってきたことは、東洋についての知識ではなく、西洋についての物語だった、という本。『地に呪われたる者』で読む脱植民地1件を共有 / 植民地支配が人の心に何をするかを、精神科医が診察室から書いた。36歳で死ぬ年に口述された本。『交易の世界史』で読む物の流れ1件を共有 / シュメールの銅から現代のコンテナまで。人が物を遠くへ運ぶために、何をしてきたか。『黒い皮膚・白い仮面』で読む植民地の心1件を共有 / 支配される側が、支配する側の目で自分を見てしまう。27歳の精神科医が書いた最初の本。

筋(16)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

アメリカ大陸への到達できごと / 約1万6000年前(2万3000〜1万5000年前と幅がある) / 『1491』。いつ、どうやって着いたのかアメリカ大陸の大型動物の絶滅できごと / 約1万2500年前 / 『1491』。手つかずの自然という思い込みトウモロコシの栽培化できごと / 約9000年前 / 『1491』。人が作り出した作物アマゾンの黒い土できごと / BC5世紀〜AD10世紀 / 『1491』。アマゾンは人が作った風景だったミシシッピ文化国 / AD800年頃 – AD1600年頃カホキアの繁栄できごと / AD1050年 / 『1491』。北米にも都市があったアステカ国 / AD1428年(三国同盟) – AD1521年(テノチティトラン陥落)インカ帝国の拡大できごと / AD1438年 / 『1491』。文字を持たずに1000万人を治めたインカ帝国国 / AD1438年(パチャクテク即位) – AD1533年(アタワルパの処刑)コロンブスの到達できごと / AD1492年10月12日 / 二冊の境目天然痘のアメリカ大陸上陸できごと / AD1520年 / 「豊かな自然」は、人が消えたあとの風景だった大西洋奴隷貿易できごと / 1526年 / 『1493』。マラリアの分布が奴隷制の形を決めたポトシ銀山の開発できごと / AD1545年 / 『1493』。銀は中国へ流れたマニラ・ガレオン貿易できごと / 1565年 / 『1493』。太平洋を渡る定期便アヘン戦争できごと / 1840年 / 『1493』。銀の流れの行き着く先アイルランドのジャガイモ飢饉できごと / 1845年 / 『1493』。アンデスの作物と、その病がヨーロッパへ