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Story / ストーリー

『地に呪われたる者』で読む脱植民地

出てくるできごと AD1526 – AD1976
できごと 8人物 5

概要

植民地支配が人の心に何をするかを、精神科医が診察室から書いた。36歳で死ぬ年に口述された本。

この物語について

『地に呪われたる者』(フランツ・ファノン、1961年、日本語版1969年)は、著者が白血病と診断されたあと、10週間で口述された。刊行の数か月後に死んでいる。

著者はカリブ海のマルティニークに生まれ、フランス軍で戦い、精神科医になった。アルジェリアの病院で、拷問された側と、拷問した側のフランス人警官の両方を診た。本の最後の章は、その症例の記録になっている。

中心の主張は、植民地支配それ自体が暴力の体系だ、というものになる。支配される側は、自分を劣った者として内面化する。その歪みは、まず同胞への暴力として出る。

本のいちばん有名な部分であり、いちばん論争になった部分は、暴力についての第1章になる。サルトルが付けた序文が、その読まれ方をさらに極端にした。のちの版で、その序文を外すべきだという議論も起きている。

第3章は、独立後を予言している。植民地の支配層が去ったあと、その場所に現地のエリートが座るだけなら、何も変わらない。アフリカの独立後に実際に起きたことを、独立の前に書いていた。

この物語は、本が扱ったできごとを並べ直したものになる。本文は写していない。

動画(1)

Frantz Fanon's "The Wretched of the Earth" (Part 1/2)Theory & Philosophy暴力をめぐる第1章を、本文に沿って読む

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

主権はだれのものか9件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。『黒い皮膚・白い仮面』で読む植民地の心5件を共有 / 支配される側が、支配する側の目で自分を見てしまう。27歳の精神科医が書いた最初の本。帝国と独立4件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。考えることの歴史2件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史2件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『砂糖の世界史』で読む世界商品2件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。冷戦1件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。交易路とお金1件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『サピエンス全史』で読む歴史1件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史1件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『文明崩壊』で読む歴史1件を共有 / イースター島、マヤ、グリーンランドのノルウェー人。環境を使い尽くした社会と、そうしなかった社会。『大分岐』で読む歴史1件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。『暴力の人類史』で読む歴史1件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。『負債論』で読む歴史1件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『想像の共同体』で読む歴史1件を共有 / 国民とは、会ったこともない人を同じ仲間だと思える想像力のことだ、という本。『1491』『1493』で読む新大陸1件を共有 / コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。『近代世界システム』で読む歴史1件を共有 / 国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。『収奪された大地』で読むラテンアメリカ1件を共有 / 500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。

筋(13)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

大西洋奴隷貿易できごと / 1526年トゥーサン・ルーヴェルチュール人物 / AD1743年頃 – AD1803年 / 最も早い先例を率いたハイチ革命できごと / 1791年 / 最も早い先例ジョモ・ケニヤッタ人物 / AD1897年頃 – AD1978年8月22日アミルカル・カブラル人物 / AD1924年9月12日 – AD1973年1月20日 / 本を読み、実行した側フランツ・ファノン人物 / AD1925年7月20日 – AD1961年12月6日 / 著者セティフの虐殺できごと / AD1945年5月8日 / 戦勝の日に起きたことスティーヴ・ビコ人物 / AD1946年12月18日 – AD1977年9月12日マウマウ団の反乱できごと / 1952年アルジェリア戦争できごと / 1954年 / 本が書かれている最中の戦争ディエンビエンフーの戦いできごと / 1954年 / 植民地は勝てる、と示したコンゴ動乱できごと / 1960年 / 独立のあとに何が来るか、の予言どおりの例ソウェト蜂起できごと / AD1976年6月16日