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Story / ストーリー

『近代世界システム』で読む歴史

出てくるできごと AD1492 – AD1914
できごと 12人物 14

概要

国ごとの発展を比べるのをやめる。16世紀からずっと、世界は一つの分業の仕組みとして動いてきた、という本。

この物語について

『近代世界システム』(イマニュエル・ウォーラーステイン、第I巻1974年、日本語版1981年〜)は、なぜある国は豊かでほかは貧しいのか、という問いの立て方そのものを変えた。

国を単位に比べるから、遅れた国は追いつけばよい、という話になる。そうではない、と本は言う。16世紀に生まれた一つの世界経済があり、その中に中核と半周辺と周辺という役割がある。中核が工業と高い賃金を持ち、周辺が原料と強制的な労働を担う。周辺が貧しいのは遅れているからではなく、中核が豊かであるための条件になっている、という筋になる。

役割は入れ替わる。オランダからイギリスへ、イギリスからアメリカへ、ヘゲモニーは移った。それでも仕組みそのものは続いている。

この物語は、本が扱ったできごとを巻ごとに並べ直したものになる。本文は写していない。

この年表には、同じ時代を別の理由で説明する本がいくつも入っている。制度と見る『国家はなぜ衰退するのか』、石炭と地理と見る『大分岐』、13世紀に別のシステムがあったと見る『ヨーロッパ覇権以前』。同じできごとを開いて、三つの説明を並べて読める。

動画(2)

Immanuel Wallerstein • Cores and Peripheries in the 21st CenturyWolf Humanities Center著者本人が、中心と周辺という枠組みを現在に当てて話す
World-Systems Analysis: Wallerstein's Theory of HegemonyThe Cynical Historian世界システム論の見取り図を11分で。歴史家からの留保も付いている

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

『サピエンス全史』で読む歴史10件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史10件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『大分岐』で読む歴史7件を共有 / 1800年まで、長江下流とイングランドは同じくらい豊かだった。分かれたのは石炭と植民地のせいだ、という本。帝国と独立6件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。交易路とお金5件を共有 / 運ぶ/両替する/貸す。人と物が動くところには、いつも同じ仕組みが生えてくる。『世界史』(マクニール)で読む歴史5件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。『リオリエント』で読む世界経済5件を共有 / 1800年まで、世界経済の中心はアジアだった。ヨーロッパは、その列に遅れて並んだ客にすぎない。『収奪された大地』で読むラテンアメリカ5件を共有 / 500年の歴史を、何が持ち去られたかで書く。金、銀、砂糖、ゴム、コーヒー、銅、石油。大航海時代4件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。コテンラジオで聞く歴史4件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『物質文明・経済・資本主義』で読む三つの層4件を共有 / 毎日の暮らし、市場での取引、そしてその上に乗る資本主義。ブローデルは経済を三層に分けた。『1491』『1493』で読む新大陸4件を共有 / コロンブス以前のアメリカは人の少ない原野ではなかった。以後の世界は、生き物の大移動でできている。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史3件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『暴力の人類史』で読む歴史3件を共有 / 人が人を殺す率は、狩猟採集の時代から今まで、長い目で見ればずっと下がってきた、という本。反論も多い。『地中海』で読む歴史3件を共有 / 歴史には三つの速さがある。ほとんど動かない時間、ゆっくり動く時間、そして事件。捕虜収容所で書かれた本。『交易の世界史』で読む物の流れ3件を共有 / シュメールの銅から現代のコンテナまで。人が物を遠くへ運ぶために、何をしてきたか。宗教改革と科学革命2件を共有 / 教会が独占していた「何が正しいか」の答えが、聖書と観測に明け渡されるまで。感染症と人類2件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。都市の歴史2件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。主権はだれのものか2件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。『オリエンタリズム』で読む歴史2件を共有 / 西洋が「東洋」について語ってきたことは、東洋についての知識ではなく、西洋についての物語だった、という本。『負債論』で読む歴史2件を共有 / お金は物々交換の不便から生まれた、という話は史料に無い。先にあったのは借りのほうだ、という本。『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』で読む歴史2件を共有 / 資本主義を生んだのは強欲ではなく、救われているか分からない不安だった、という100年前の論文。『想像の共同体』で読む歴史2件を共有 / 国民とは、会ったこともない人を同じ仲間だと思える想像力のことだ、という本。『暴力と不平等の人類史』で読む格差2件を共有 / 格差を大きく縮めたのは、改革ではなく破局だった。戦争、革命、国家の崩壊、疫病の四つしかない、という本。『砂糖の世界史』で読む世界商品2件を共有 / 一つの白い粒を追いかけると、カリブの奴隷とイギリスの朝食と産業革命が一本につながる。二つの大戦1件を共有 / 一発の銃声から31年。二つの戦争は別々ではなく、前者の終わらせ方が後者を呼んだ。冷戦1件を共有 / 撃ち合わずに40年競った。ただし代理の戦場では、実際に人が死に続けた。中国の王朝1件を共有 / 殷から清まで3000年。王朝は替わっても、同じ型で替わり続けた。探検と発見1件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。技術と産業1件を共有 / 道具が人を変え、その人がまた道具を作った。速さが加速していく話。考えることの歴史1件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。接触前のアメリカ1件を共有 / 旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。『繁栄』で読む歴史1件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。『大転換』で読む歴史1件を共有 / 市場はずっと社会の一部だった。それが逆転して、社会のほうが市場に合わせはじめた19世紀に何が起きたか。『地に呪われたる者』で読む脱植民地1件を共有 / 植民地支配が人の心に何をするかを、精神科医が診察室から書いた。36歳で死ぬ年に口述された本。『歴史とは何か』で読む歴史の読み方1件を共有 / 事実は自分では語らない。誰がどれを選んだかが、そのまま歴史になる。この年表そのものへの問いかけ。『黒い皮膚・白い仮面』で読む植民地の心1件を共有 / 支配される側が、支配する側の目で自分を見てしまう。27歳の精神科医が書いた最初の本。

筋(17)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

コロンブスの到達できごと / AD1492年10月12日 / 長い16世紀の始まりスペイン帝国国 / AD1492年(グラナダ陥落とコロンブスの航海) – AD1898年(米西戦争で最後の海外領土を失う)大西洋奴隷貿易できごと / 1526年ポトシ銀山の開発できごと / AD1545年 / 周辺での強制労働ネーデルラント連邦共和国国 / AD1581年(廃位布告) – AD1795年(フランス軍の侵入による崩壊)オランダの黄金時代できごと / 1600年 / 最初のヘゲモニー国家大英帝国国 / AD1607年(ヴァージニアの入植) – AD1997年(香港の返還)三十年戦争できごと / 1618年名誉革命と権利章典できごと / 1688年 / ヘゲモニーがオランダからイギリスへ移る産業革命できごと / 1760年アメリカ合衆国国 / AD1776年(独立宣言) – (続く)フランス革命できごと / 1789年 / システムの文化としての自由主義アヘン戦争できごと / 1840年 / 外部だった中国が、周辺として組み込まれるベルリン会議とアフリカ分割できごと / 1884年11月ユナイテッド・フルーツと「バナナ共和国」できごと / 1899年 / 周辺で何が起きるか第一次世界大戦できごと / 1914年 / イギリスからアメリカへイマニュエル・ウォーラーステイン人物 / AD1930年9月28日 – AD2019年8月31日 / 著者