概要
旧大陸と行き来のないまま、農耕も都市も国家も別々に生まれた。3000年ぶんの、独立した実験。
この物語について
アメリカ大陸の文明は、旧大陸を一度も見ないまま同じところへ辿り着いている。トウモロコシを育て、暦を作り、ピラミッドを積み、数万人の都市を運営した。テオティワカンは同時代のローマと並ぶ規模で、誰が建てたのかいまも分かっていない。カホキアの人口は当時のロンドンに匹敵したとされる。
違いもはっきりしている。車輪は玩具にはあったが運搬には使われず、牛や馬にあたる大型の家畜がいなかった。文字はマヤが持ち、アンデスはキープという結び目で記録した。
マヤ低地の都市は9世紀に次々と捨てられた。旱魃、戦争、土地の疲弊、諸説ある。そして1492年以降、この独立した実験は数十年で断ち切られる。軍事以上に効いたのは、免疫を持たない集団に持ち込まれた病だった。
重なっているストーリー
同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。
都市の歴史15件を共有 / 人が密集して住むという異常な選択が、文明のほとんどを生んだ。『銃・病原菌・鉄』で読む歴史12件を共有 / なぜ征服したのがスペイン人で、されたのがインカだったのか。ダイアモンドは答えを人ではなく大陸の形に求めた。『サピエンス全史』で読む歴史9件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。大航海時代7件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。主権はだれのものか5件を共有 / 王が決めるのか、議会が決めるのか、国民が決めるのか。800年かけて答えが動いた。『文明崩壊』で読む歴史5件を共有 / イースター島、マヤ、グリーンランドのノルウェー人。環境を使い尽くした社会と、そうしなかった社会。感染症と人類4件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。帝国と独立4件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。文明のはじまり3件を共有 / 農耕も都市も文字も、離れた場所で別々に始まった。そして始まった順序は、思っているのと違う。『疫病と世界史』で読む歴史3件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。考えることの歴史2件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。確かめるという方法2件を共有 / 偉い人がそう言ったから、をやめた話。誰が最初かは、思っているほどはっきりしない。探検と発見1件を共有 / 地平線の向こうに何があるかを、確かめに行った人たちの記録。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。ヴァイキング1件を共有 / 襲撃者として現れ、交易者になり、入植者になった。北アメリカにも、ロシアにも、イングランドにも痕跡がある。表現の歴史1件を共有 / 書いた人、描いた人、作った人。政治と戦争のあいだに、ずっと別の営みがあった。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史1件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『世界史』(マクニール)で読む歴史1件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。筋(53)
年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。
アメリカ大陸への到達できごと / 約1万6000年前(2万3000〜1万5000年前と幅がある) / ここから1万5000年、旧大陸と行き来がないアメリカ大陸の大型動物の絶滅できごと / 約1万2500年前 / 馬はここで一度消え、スペイン人が連れてくるまで戻らないトウモロコシの栽培化できごと / 約9000年前 / この作物なしにマヤもアステカも無いカラルの都市できごと / 紀元前26世紀 / 武器も城壁も見つかっていないオルメカ文明できごと / BC1200年頃 / 中米の最初の文明チャビン文化できごと / BC900年頃ラ・ベンタの放棄できごと / BC400年頃 / 暦と球技と神々は後の文化に受け継がれたマヤの諸都市国 / BC250年頃(先古典期の終わり) – AD900年頃(低地の古典期マヤの崩壊) / 統一国家にならず、数十の都市が並んだナスカの地上絵できごと / BC100年マヤの長期暦できごと / BC36年(現存最古の刻銘) / ゼロを持つ記数法は世界に数えるほどしかないテオティワカンの隆盛できごと / AD100年 / 誰が建てたのかいまも分かっていないモンテ・アルバンのサポテカできごと / AD1世紀 / 最も早い文字と暦の記録マヤ古典期できごと / AD250年ティワナク国 / AD3世紀頃 – AD1000年頃(干ばつによる衰退とされる) / 標高3800メートルで人口を養ったパカル王人物 / AD603年3月23日 – AD683年8月28日ミシシッピ文化国 / AD800年頃 – AD1600年頃祖先プエブロ国 / AD850年頃(チャコの建設の始まり) – AD1300年頃(放棄) / 13世紀の干ばつで放棄されたマヤ低地の崩壊できごと / AD900年頃 / 9世紀に次々と捨てられた。理由には諸説あるチムー王国国 / AD9世紀頃 – AD1470年頃(インカによる併合) / インカに併合される直前まで海岸最大の国だったチチェン・イッツァの繁栄できごと / AD1000年頃ヴィンランド到達できごと / AD1000年頃 / 最初の接触。ただし何も動かなかったカホキアの繁栄できごと / AD1050年 / 当時のロンドンに匹敵する人口だったとされるチャコ・キャニオンの大集落できごと / AD1050年頃(最盛期)チャン・チャンの造営できごと / AD1100年頃テノチティトランの建設できごと / AD1325年カホキアの放棄できごと / AD1350年頃ネサワルコヨトル人物 / AD1402年4月28日 – AD1472年パチャクテク人物 / AD1418年頃 – AD1471年頃アステカ国 / AD1428年(三国同盟) – AD1521年(テノチティトラン陥落) / 征服した土地を直接治めず、貢納を取る形で広げたインカ帝国の拡大できごと / AD1438年 / 文字を持たず、結び目で記録したインカ帝国国 / AD1438年(パチャクテク即位) – AD1533年(アタワルパの処刑) / 文字を持たないまま南北4000kmを道と結縄で束ねたテスココ湖の堤防できごと / AD1449年 / 詩人でもある王が16キロの堤防を設計したイロコイ連邦国 / AD15世紀頃(成立年には1142年説もある) – AD1783年(パリ条約。土地がアメリカに渡る) / 合意で決め、氏族の母たちが首長を選んだイロコイ連邦の成立(大平和の法)できごと / AD15世紀頃(1142年説もある) / 合議と、氏族の母による首長の選出モクテスマ2世人物 / AD1466年頃 – AD1520年インカによるチムー併合できごと / AD1470年頃 / 征服した相手の職人を連れ去るのがインカのやり方だったコロンブスの到達できごと / AD1492年10月12日 / 断ち切られる側から見た始まりマリンチェ人物 / AD1500年頃 – AD1529年頃 / 通訳がいなければ征服は成り立たなかったアタワルパ人物 / AD1502年頃 – AD1533年7月26日天然痘のアメリカ大陸上陸できごと / AD1520年 / 接触の直後に起きたことテノチティトランの陥落できごと / AD1521年カハマルカの戦いできごと / AD1532年11月16日インカ帝国の滅亡できごと / AD1533年ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』できごと / AD1552年 / 4000万人ポペ人物 / AD1630年頃 – AD1692年頃 / 結び目の紐で日を合わせた祈祷師プエブロの反乱できごと / AD1680年8月10日 / 北米で先住民が植民者を追い払った唯一の例ソル・フアナ「フィロテア修道女への返答」できごと / AD1691年トゥパク・アマル2世人物 / AD1738年3月19日 – AD1781年5月18日 / インカの記憶が250年後の蜂起に使われたテカムセ人物 / AD1768年頃 – AD1813年10月5日テカムセの部族連合できごと / 1808年 / 接触のあとも、土地をめぐる主張は続いたシッティング・ブル人物 / AD1831年頃 – AD1890年12月15日ウーンデッド・ニーの虐殺できごと / AD1890年12月29日ハイアワサ人物 / 伝承の中の人。連邦を作った弁士