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Story / ストーリー

『ローマ帝国衰亡史』で読むローマ

出てくるできごと AD117 – AD1776
できごと 22人物 112

概要

ギボンが1776年に出しはじめた、トラヤヌスからコンスタンティノープル陥落までの1300年。「なぜ滅びたか」を問う型はここで作られた。

この物語について

『ローマ帝国衰亡史』(エドワード・ギボン、1776〜1788年、全6巻)は、二世紀のアントニヌス朝を人類が最も幸福だった時代と置き、そこから1453年までを下り坂として書く。塩野七生の『ローマ人の物語』が建国から西の滅亡までなのに対し、こちらは最盛期から東の滅亡までになる。

著者が挙げた理由は、蛮族の侵入とキリスト教になる。来世を説く宗教が市民の徳を弱めた、という第15章と第16章は出た当時から非難を浴び、いまの研究者もこの見方は採らない。一方で、史料に脚注を付けて書くという型、皮肉を効かせた文体、そして「なぜ大きなものが崩れるのか」という問いの立て方は、その後の歴史の書き方そのものになった。

この物語は、本の章がどのできごとを扱っているかを、章番号で引けるように並べたものになる。本文は写していない。章の題は日本語版によって違うので、ここでは番号だけを書いた。

「衰亡」という枠組みそのものへの反論も、同じ物語に付けてある。古代末期を衰退ではなく変容と見る研究が、この半世紀の主流になっている。

動画(2)

1776 in Mind: The History of the Decline and Fall of the Roman EmpireNational Association of Scholars1776年という年に、この本が何を言おうとしたかを読む講義
Clifford Ando | The Long Defeat: The Fall of the Roman EmpireThe Institute for the Study of Ancient Culturesギボンの「衰亡」をいまの研究者がどう見ているか。反論側

重なっているストーリー

同じできごとや人物を含む物語です。何件を共有しているかを添えました。

『ローマ人の物語』で読むローマ20件を共有 / 塩野七生が15年かけて15巻で書いた、建国から西の帝国の終わりまで。このデータベースの第一期と同じ範囲になる。ローマ人の物語18件を共有 / ラティウムの一都市が地中海全域を呑み込み、そして西半分が消えるまでの1200年。東ローマ千年11件を共有 / ローマの西半分が消えたあと、東半分は1000年続いた。その中身をローマの続きとして並べる。キリスト教のひろがり7件を共有 / 迫害される小集団が、300年で帝国の宗教になり、そこから何度も割れながら世界へ出ていった。民族移動の時代6件を共有 / 4〜6世紀、ユーラシアの東西で同時に人が動いた。ローマだけの話ではない。イスラム世界4件を共有 / 一世紀でイベリアからインダスまで。学問を受け継ぎ、育て、そして西へ返した。『サピエンス全史』で読む歴史4件を共有 / ハラリが人類史を三つの革命で切った本。その筋に沿って、このデータベースの項目を並べ直す。誰が書き残したか3件を共有 / 残っているものが全部ではない。誰の筆によるかで、同じ出来事が違って見える。コテンラジオで聞く歴史3件を共有 / ポッドキャスト「コテンラジオ」が取り上げた人物とできごと。ここに並ぶ項目には、その回の動画が付いている。『世界史』(マクニール)で読む歴史3件を共有 / 文明どうしが接触し、借り、競い合うことで歴史が動く。世界を一つの物語として書いた最初の教科書。草原の帝国2件を共有 / 匈奴からジュンガルまで、2500年のあいだ農耕世界の北にいた人たちの側から歴史を並べる。大航海時代1件を共有 / 海が壁ではなく道になった。二つの大陸が結ばれ、世界がひとつの市場になっていく。ポエニ戦争1件を共有 / 地中海の覇権をめぐる、ローマとカルタゴの120年。三度戦い、三度目でカルタゴは消えた。感染症と人類1件を共有 / 人が動くほど病も動いた。文明の広がりと感染の広がりは、同じ地図の上にある。女性の権利1件を共有 / 人口の半分が、参政権を得るまでに文明の歴史のほとんどを要した。帝国と独立1件を共有 / 数十年で世界の大半が数か国のものになり、また数十年で戻った。考えることの歴史1件を共有 / 同じ数百年のあいだに、ギリシアでも中国でもインドでも、人が根本から考え直した。『国家はなぜ衰退するのか』で読む歴史1件を共有 / 国境をひとつ挟んで豊かさが違うのは、地理でも文化でもなく制度のせいだ、という本。2024年のノーベル経済学賞の元になった。『疫病と世界史』で読む歴史1件を共有 / 歴史を動かしたのは王でも思想でもなく、目に見えない微生物だった、と最初に言い切った本。『繁栄』で読む歴史1件を共有 / 人類が豊かになったのは交換のおかげで、悲観する理由はいつも外れてきた、という本。反論側も付けてある。

筋(35)

年代順に並べてあります。役どころが書いてあるものは、なぜこの物語に含まれるかを添えました。

ローマ国 / 紀元前8世紀(伝承ではBC753年) – (続く) / 第1〜38章トラヤヌス人物 / 53年9月18日 – 117年8月8日ローマ帝国の最大版図できごと / AD117年 / 第1章。本はここを頂点に置くマルクス・アウレリウス人物 / 121年4月26日 – 180年3月17日 / 本が最後の幸福な時代とした皇帝アントニヌスの疫病できごと / 165年カラカラ勅令できごと / AD212年 / 第6章三世紀の危機できごと / 235年 / 第10章ディオクレティアヌス人物 / AD244年頃 – 311年コンスタンティヌス1世人物 / AD272年頃 – 337年5月22日アウレリアヌスの帝国再統一できごと / AD274年 / 第11章ミラノ勅令できごと / AD313年 / 第16章。キリスト教を衰退の理由に数えた、いちばん非難された章ニケーア公会議できごと / AD325年 / 第21章コンスタンティノープル遷都できごと / AD330年 / 第17章ユリアヌス人物 / AD331年 – AD363年6月26日ユリアヌスの異教復興できごと / AD361年 / 第23章。本は背教者に同情的ハドリアノポリスの戦いできごと / AD378年8月9日 / 第26章キリスト教の国教化できごと / AD380年 / 第28章東ローマ帝国国 / AD395年(テオドシウスの死による東西分割) – AD1453年(コンスタンティノープル陥落) / 第39〜68章。東の帝国まで書き切った西ゴートのローマ略奪できごと / AD410年8月24日 / 第31章アッティラ人物 / ? – AD453年ヴァンダルのローマ略奪できごと / AD455年 / 第36章西ローマ帝国の滅亡できごと / AD476年 / 第36章。ここで終わらず、東へ続けるユスティニアヌス1世人物 / AD482年頃 – AD565年11月14日テオドラ人物 / AD500年頃 – AD548年ユスティニアヌスの再征服できごと / 533年 / 第41章ローマ法大全できごと / AD534年 / 第44章。ローマ法の一章は独立して読まれてきたムハンマド人物 / AD570年頃 – AD632年 / 第50章。一章を充てたヘラクレイオス人物 / AD575年頃 – AD641年2月11日イスラムの大征服できごと / 634年 / 第51章トゥール・ポワティエ間の戦いできごと / AD732年 / 第52章。もし負けていたらオックスフォードでコーランが講じられていた、と本は書くマンジケルトの戦いできごと / AD1071年8月26日 / 第57章第4回十字軍のコンスタンティノープル略奪できごと / AD1204年 / 第60章コンスタンティノープル陥落できごと / AD1453年5月29日 / 第68章。本の終点エドワード・ギボン人物 / AD1737年5月8日 – AD1794年1月16日 / 著者『ローマ帝国衰亡史』の刊行できごと / AD1776年 / 本そのもの